ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
海の方へ
2011/03/20
Sun. 00:18
海までは住宅街を抜けて行かなければならなかった。
家々の間を、あみだくじのように道をひとつひとつ選んで折れながら海まで歩いた。
途中、見たことのある教会を見つけ、ああ、ここ通ったことある、とつい口に出してしまう。
屋根の一番高いところ立つ十字架が、ずいぶん心強いものに感じられた。
やがて、車道の下にくり抜かれた、砂浜に通じる歩行者用トンネルに出た。
トンネルをくぐると、水平線が一気にひらけた。
鳥肌が立った。
胸をぎゅっと掴まれるような感じがして、しばらく目を閉じ、深呼吸をした。
砂浜にいる、あまり多くはない人たちの中に、おかあさんと手をつないで歩く小さな子がいた。
よちよち歩きと形容してもいいぐらいのものだったが、
連なる砂の隆起の、頂きや傾きに足をとられながらもそれらを崩しながら踏みしめるその子の力強い歩みは、
その瞬間なににも増して尊いものだと思った。

[edit]
この記事に対するコメント
想像するに、逗子海岸でしょうか?
地震が多い中、海辺へ行く根性は凄いですね!
1604 #- | URL | 2011/03/20 02:36 * edit *
Re: タイトルなし
花を手向けるのに根性はいらないと思う。おそらく。
KOY #- | URL | 2011/03/20 04:18 * edit *
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
# | | 2011/03/20 10:34 * edit *
Re: タイトルなし
こちらこそありがとうございます。
KOY #- | URL | 2011/03/21 01:37 * edit *
トラックバック
| h o m e |