ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
切手
2013/10/26
Sat. 05:23
切手そのものの佇まいと、手紙や葉書に貼られたその情景が好きだ。
小学生のころの趣味のひとつに切手蒐集があった。
友人の影響だったのだろうか、よくは覚えていない。
記念切手や珍しい切手を先の平たくなったピンセットで丁寧にはさみ、薄紙の張られたコレクションアルバムに挿していく。
シリーズものをすべて揃えたときの感動はひとしおだった。

未使用のものより、消印の押された、ひと旅してきた切手がいい。
母方の祖母の家にあった古い手紙挿しには、昔の手紙や葉書がたくさん残っていた。
それらに貼られた切手には珍しいたいへん貴重なものもあって、切手カタログのページを繰っては、これはいくら、これはいくら、なんて値踏みしたのをついこの間のことのように思い出せる。
貼られた切手を水で剥がし、コレクションしようという気持ちが芽生えたこともあったが、消印の押された切手を一緒に旅をしてきた手紙や葉書から分つことは潔しとしないのでは、なんていう子供的道義が胸に湧き、そんな邪念を封じ込めたのだった。
ワインのラベルをボトルから剥がしてコレクションしている知人がいますが、これはあり。だってかさばるから。
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