ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
負け戦、あるいは金と同等の価値をもった米ぬか
2016/04/24
Sun. 02:10
採りたての孟宗竹を二本いただいた。
お湯を沸かしてから筍を掘れ、と言われるくらい早く灰汁抜きした方が美味しいので、家にとって返し、急いで一番近くのスーパーで灰汁抜き用の米ぬかを手に入れるべく自転車を駆った。
売り場に並んでいる筍に、ビニール入りの米ぬかが巻き付けられてはいた。しかし肝心の米ぬかのみが無い。もしあるとすればこの周辺しか考えられないのだが、まさかの抱き合わせのみなのか。訊くと案の定その通りであった。
すぐに次に近いスーパーに走る。
しかし、明らかにここも抱き合わせしか無い景色が広がっている。
すぐに諦め、生鮮品豊富な次のスーパーへ。
売り場には日本各地の筍が並び、いずれの筍も米ぬかを抱いていない。ということは米ぬかは別売りに違いない。
しかしいくら探しても見つからない。訊くと、買った人にレジで差し上げてますとのこと。
もらえませんか、という言葉が出かかったが、もはや筍との男同士の戦い(筍=男 に異論はないですよね)みたいになっているので、そんな邪道な手は使いたくはない。
実は家を出る前から、米ぬかのみを置いているスーパーは頭にあったのだが、行くのに多くの時間を必要としたので近くから当たってみたのだった。
最初からそこにすれば良かった、いい歳こいたおっさんが何やってんだと思いながら延々と自転車を走らせた。
米ぬかは今や僕の中で同じ重さの金と取引できるほどの価値になっていた。

筍と油揚げの炊込みごはん。筍と豆腐の味噌汁。筍と蕗と鶏の煮物。ちょうどよく二本使いきりました。ごちそうさまでした。採りたてだったので、水煮では絶対にやらない木の芽もあしらいました。筍と木の芽ってなんでこんなに合うんでしょう。
蕗の板摺りで、肩がもう深刻に痛いです。なにやってんだか。
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追載です。煮物だけですけど。

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