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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

アパッペマヤジフ 

2019/03/13
Wed. 03:50




外は思ったより暖かく、シャツは脱いでくるべきだったと後悔した。
薄手のタートルニットに、防風効果の高い化繊の白シャツを重ね、その上に内側がゴム引きになっている黒のコートという姿は、風を通さない上に内側の水分も蒸散しないので、見た目よりも相当暖かい。

横浜駅に着いたときには、早くも汗まみれだった。だが我慢できない暑さではない。

駅ビルの画材屋で絵具と紙とパネルを買い、そのあと馴染みの書店に行った。
書店の一角で、生胡椒の試食販売をやっていた。
生胡椒の粒まるごと一盛り、生胡椒を砕いたもの一盛り、生胡椒のオイル漬けを一盛り試食させてもらった。
美味しい。大好物の生山椒と互角。
これはあの料理に合うだろうなあ、とか、これはあの料理に試してみたい、とか想像しながら味見をした。
よく考えて、砕いた生胡椒に決める。

書店のレジは混んでいた。
私の前に15人ほどが並んでいて、私以外はみんな本を持っている。
あ、と思った。
急激に毛穴が開いた。いま毛穴開きました!という瞬間が分かった。
さっき食べた胡椒が効いてきたのだ。
待てよ、これはやばい。
尋常ではない量の汗が身体中から出てくる。
やばいコートを脱ごう、そう思って袖を抜いた瞬間、変な声が出た。
袖から肩にかけて、白いはずのシャツが紫色になっている。
大量の汗でコートが色落ちしたのだ。
急いで着直した。
おそらく後ろの人には変な色に変わったシャツが見えたはずだ。もしかしたら立ち昇る湯気まで見えたかもしれない。
ビショビショになりながらやっとレジにたどり着く。
レジの人は私を見て、ぎょっ!という顔をした。
「いやいやこの胡椒がすごくてさー、参ったよ」という表情で商品を出し、会計を済ませた。

帰りももちろんコートを脱ぐことはできなかった。



IMGP6814.jpg



辛いのは好きですが、外ではできるだけ食べないようにしてます。
カレー店に入っても、辛さは一番マイルドなやつです。まあ、お子様ですね。外ではね。
四川料理店なんかよほどのことでない限り避けます。

山葵と山椒は大丈夫なんですよねぇ。




 

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2019-03