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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

不測の事態、幸福の不在 

2014/02/16
Sun. 03:31



小一時間ほど気分転換の散歩に行こうと思ってエントランスを出たら、思った以上に雪が強く降っていた。
ダウンジャケットを重ね着しマフラーを巻いて、厚手の靴下に先週出した登山靴を履いて、大きめの傘を差して出たのだけれど、あまりの風雪の激しさに心はすぐに折れた。
午前一時をまわったあたりで、見渡す限り歩道に人の姿はなく、黄色の街灯に明るく照らされた降りしきる雪の車道をゆっくりと進む車が数台見えるだけだった。
せっかくこんな仰々しい格好をして出たのだから、せめてコンビニに行こう、そう思った。別に何も買いたくはないのだけれど。
コンビニにはふたりの店員がいるだけだった。
窓から外を眺めていたひとりはレジに戻り、もうひとりは台車に載った商品を棚に並べていた。
何も欲しくは無いんだよなあ、どうしよう、何買おうかなあ、と店内をうろついた。
チョコレートの棚の前を通ったとき、ふいに、熱いコーヒーを淹れて本を読みながらチョコレートを食べるっていうのはどう、と頭の中で囁く声がした。
そうしようと思った。それが最高の選択のように思えた。それを遂行しない限り今日という一日は終わらない気がした。
時期が時期だけに、チョコレートもらってないのかよ!と店員に心の中でつっこまれるだろうなあと思いながら板チョコを2枚、レジに持っていった。店員がどう思っているのかは判らなかった。
ドアを出るときに、ちょうど店にやって来たカップルとすれ違った。
男からは油のしみこんだ安い革のようなにおいがした。



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最近、人の話を聞いてはいるんだけど、聞いたそばからどんどん頭の端に追いやっていて、結果、話を聞いてない人扱いをされてしまう。こまった、困った。


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