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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

脳細胞の鎮魂曲 

2015/06/21
Sun. 02:54



個人レッスンをしている、あるご家族宅でのことです。
ご主人、奥様、息子さん、の三人に、それぞれが書きたい字を教えていて、毎回だいたいお一人に二つのお手本を書いています。
その日のご主人の二回目のお題は「首都」でした。
「東京の」と聞くと、「はい」とご主人はこたえます。
「はいわかりました」と私はおもむろにお手本を書き始めます。
一文字目を書き終えたところで、ご主人は言います。

「先生、首でお願いします」

はっと私は我に返ります。
私は「首都」を「主都」と書こうとしていたのです。
東京の、と言った手前、ここは「首都」しか許されないはず。
小さいころは「漢字博士」の称号をほしいままにしてきたのになんということでしょう。
主都福音教会のことが頭にあったのかもしれません。
ご主人、ご主人、と連呼して、「主」が頭を占領していたのかもしれません。
元サッカー日本代表の、三都主アレサンドロが頭の中を駆け巡っていたのかもしれません。
嗚呼。
日々死滅していく脳細胞にレクイエムを捧げながら私は書き直したのでした。



R0022150.jpg



ツキイチくらいで会っているのに、その方の名前が小一時間出てこないこともしばしばです。
そういうときはそれっぽいのが出てくるまで「あ」から五十音順に下っていきます。
カバーをしていることもあるのでしょうが、小説のタイトルなんてのも、もうどうでもよくなってきてしまっています。
昔は作家名と作品名はセットでしっかり頭の中に整頓されていたのに。
これが老いなのか・・・。いやいやそれは認めません。寝不足です。睡眠不足による脳細胞の死滅。
まあ実際の話、こっちの方が大量に逝ってしまうんですよね。

 


 
 

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