ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
表情と裏情
2015/07/29
Wed. 17:33
記号化された文字は、記された面から鑑賞者へと向かう単一方向への主張であるけれど、その上の次元で昇華させてもいいのではないかと。こちらから見る文字の表情と反対側から見る文字の表情をひとつの支持体で表現してもいいのではないかと。
静岡側から見る富士山と、山梨側から観る富士山は、シルエットがちがうのはもちろんのこと、観る人の立つ場所の天候、気温、湿度によっても山の情景はまったくかわってくるわけで。つまりそういうこと。
記号化された文字としての作品と、それが表出する前の、表と裏をもつ作品。今回はふたつでひとつの作品でした。
でも「相」は三つ存在しているという複雑さ。

楷書で書かれた文字が、様々な硬い直方体で組まれた建築とするなら、今回の「色脈」で発表した作品は、やわらかい薄い花びらのような面を積み上げていった建築。
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