ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
仄暗い場所へ
2015/12/23
Wed. 04:03
この店は明るすぎる、と思った。まるで漁火のようだ。
白のペンキを塗りたくった簡素な店内は不気味なほど明るい白熱灯にぬらぬらと光って、すべての所在を明らかにしていた。
注文を取りに来た店員は、きわめてテンションの高い、見た感じあまり清潔とは言えない若い男で、この店のシステムとかオススメ料理とかを早口でしゃべっていた。ずっと遠くの方で鳴っている非常用のサイレンのように聴こえた。
店を出て、仄暗い場所に逃げこみたかった。

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