ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
地獄のカレー
2016/05/02
Mon. 04:29
ひとつ実験をしてみた。
大型連休恒例の冷蔵庫浚渫料理である。
シチュー、カレー、鍋、どれにしようか迷ったが、カレーフレークがちょうどあったのでカレーにした。
カレーには明らかに合わないのではないかと思える、ネギ、シシトウ、木綿豆腐も敢えて入れることにした。
ネギ、豆腐は味噌汁に、シシトウは串焼きで、という意見も少なからず(私の中に)存在したが、男はこういうときに遺憾なく勇気を発揮するものなのだ。焼いてカレーに載せるなどという生半可なことはしない。敢えて煮込む。実験なのだからいいのだ。失敗してこそ見えてくる未来だ。
結果、ネギもシシトウもカレーに綺麗に存在を消された。豆腐はわりといける。でもたぶんもうしない。

シェイクスピアの「マクベス」に3人の魔女が地獄のスープをつくるシーンがあって、何を入れたんだったろうといま気になって調べてみた。
以下、永川玲二=訳「マクベス」より抜粋。ーーー
切り身にされた沼地の蛇。
いもりの目玉、蛙の指、
こうもりの毛、犬のベロ、
まむしの舌、さそりの針、
とかげの足、ふくろうの羽、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
訳者によって少しずつ違うところもあるようだが、「地獄の〜」と冠する料理にふさわしい食材ばかりだ。
以上の食材に天変地異の呪いをこめて煮込むらしい。
絶望の海の底に沈み、すべてに疲れ切ってしまったら食べてみてもいい。
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