ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
八女の二女
2016/09/21
Wed. 05:00
八女の友人が二人展をやるというので、赤坂まで。
ちょっと前のこと。
溜池山王の駅を出ると、花束を抱え正装した女性が僕を待っていたかのように立っていた。
僕ははっとして笑顔をつくろうとするも、表情筋を動かすための電気信号をうまく送ることができず、なんともいえない顔で彼女を見る。
僕の後ろからやってきた、同じように正装した男性に彼女は微笑み、二言三言話し、僕が信号待ちをしている間、タクシーを拾って、六本木通りを霞ヶ関の方に向かい走り去って行った。男性は四谷に、女性は麻布十番あたりに住んでいる顔つきをしていた。皇居をぐるっとまわって九段下あたりでやる披露宴かなんかに行くのだろう。
まあ、正装をした妙齢の見も知らぬ女性が、なんの約束も無しに短パンを履いたおっさんなんか待っているわけがないのだ。
まあそんなことはどうでもよく、天気の良い日曜の赤坂は、閑散としていて散歩するにはちょうどよい。
ふらふらふらふらと知らない道に足を踏み入れながら、ぐるぐる廻って会場まで歩く。五分で着くところを一時間かける。

ちょっと覗いてすぐお暇するつもりだったが、抹茶を点ててもらい、お茶請けの二人静をいただいて、ずいぶん長い時間話しこんでしまった。
初めてお会いする木工作家の方は、昔、わが家の近所に勤めていたらしく、また、会場のオーナーご夫妻もこれまた近所に昔住んでいたそうで、ローカル話に花が咲く。
丼のような大きめの茶碗と、モヒカンと名付けた文鎮を連れて帰ってくる。
プロローグが訳あって強引で長いです。
でも嘘はないです。思い込みのシーン以外、ぜんぶ本当のこと。
さて、本文中に出てきた漢数字、一から十までの中でないものが一つあります。何でしょう?
見返さなくてもいいようにあからさまに書きました。
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