ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
どんぐり
2016/11/25
Fri. 05:13
メモに「どんぐり」と書いてある。
「どんぐり」。
なんのことか一向に思い出せない。
「どんぐり」ってなんだ。
記した場所からして、おそらく一ヶ月ほど前のもの。
忘れないためにメモるのに、これでは何の意味もない。

今夜はおそらくどんぐりが夢に出てくるのだ。
雲間からヤコブの梯子が伸び、黄金色に輝くどんぐりがゆっくりと降りてくる。
私の眼前に降り立ったどんぐりは意味有り気な表情をし、ゆっくりと口を開く。
私はその御託宣を聞き逃すまいとする。
そうだったのか、そういうことだったのか。私は夢の中で思う。
どんぐりはゆっくりと帰っていく。
忘れる前にメモをしよう。
しかしメモ帳はどこにもない。携帯もスマホもない。
私は目を覚ます。
脳裏に残るのはぼんやりとしたどんぐりの光のシルエットだけ。
どんぐりの言葉はすでに忘却の彼方。
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