ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
匂い泥棒
2017/06/17
Sat. 05:11
道端にラベンダーやローズマリーなどの鉢が出ていたりすると、葉を触って、指に付いた匂いを嗅いでにまにましてしまう習性がある。
強く握ったり押しつぶしたりするわけではなく、指先で軽くふにっとするだけなのだが、匂いの分子はすごいもので、簡単に皮膚に引っ越してきて、結構長いあいだそこに居座る。
至極当然のことであるが、ガーデンショップに行くとやりたい放題になる。
遊園地に来た子供のようにはしゃぎ(行動ではありません気持ちの上でのみです)、ハーブ類を手当たり次第にふにふにしまくり、そしてにまにましまくる。
ということで、それをやっていたら、私の一連の動きをつぶさに観察していたらしい居合わせた他のお客さんに、「匂い泥棒ですね(にこっ)」と言われた。
そこで何か気の利いた返答をしておけば、もしかしたら私の未来は明るいものになっていたのかもしれないが、機転の利かない口下手のアガリ症の照れ屋なので、「あ、あわわわ、は、はいー(薄ら笑い)」としか言えず、それも自分が照れていることにいたたまれなくなって、不自然にならぬよう注意を払いながら、すみやかに踵を返し、店を後にしてしまったのだった。

なにかすごくもったいないことをしてしまったような気がしてはいる。
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