ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
無垢の手
2017/06/24
Sat. 14:58
昼、けっこうな時間、洗浄能力の高い洗剤に手をさらしていたので、皮脂膜がすっかりなくなって、文字通り無垢の手になった。ハンドクリームで油分を補うも馴染まず、焼け石に水で、無垢感は消えない。
「無垢材はすぐに傷がつく」と知り合いの弦楽器職人が言っていたのを思い出す。ニスを塗る前の白木の楽器はとても繊細で傷つきやすく、丁寧に扱わなければ完成後の音にも影響が出るらしい。

夜、そんな赤子になったような手で、硬いナイロンでできたブラシを洗った。案の定、指のいたるところに細かな傷ができて、熱をもった膨張感に悩まさせられる。
むしろこのまま傷をどんどん繰り返しつけて強靭な手をつくるのもいいかと思う。そうすれば熱い鍋でも鍋つかみ無しで平気で持てるだろう。グローブ無しでも野球ができるだろう(野球なんてする機会はないが)。
だが、肝心のことができなくなることを憂慮し、また今朝からせっせとハンドクリームを塗る。
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