ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
みかんの皮
2017/11/07
Tue. 04:42
その人は、りんごの皮をナイフで剥くように、指で螺旋を描きながら器用にみかんを剥いた。
均一の幅で一定の速度で、鮮やかに剥いた。
少し厚い皮のみかんであれば、元のかたちに戻すこともできた。
その人は、みかんの皮をホモロサイン図法のように剥いた。
器用なのか、それとも不器用の結果でそういう風になってしまうのかよくわからなかった。
しばしばそれは大西洋あたりで断裂した。

いま目の前にはさくらの花が咲いたように剥かれたみかんの皮がある。
私が剥いたやつなのだけれども。
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