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ASHINO KOICHI +plus

彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ

彼の地(5) 

2018/04/20
Fri. 05:20




美術館は思った以上に混んでいた。
ある作家の、ある平面作品を観たくて、ここまでやってきたのだった。

その作品の前に立った。
ずっと眺めてみるが、思っていたものがそこには見つけられない。
写真で見た限り、線と色のそばに潜む昏い底があったような気がする。
その底にはざわめきだとか静寂だとかが澱のように積もっていた気がする。
部屋を一周して、もう一度対峙するが、やはり見つけられなかった。



IMGP6871.jpg



有名なプールはこじんまりとしていて、一枚の水で隔てられた開放と閉鎖は対照的だった。
晴れていて、すこし波が立つくらいの風があると、水面下に広がる世界は美しいのだろう。
そこにはもしかしたら閉塞感はないのかもしれない。






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