ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
幸福果実
2020/09/22
Tue. 23:18
ぶどうが大量に冷蔵庫にあるという、この幸せ感。
大量にあることで、私にこの幸せ感を運んでくれる果物はそう多くはない。
そのままの姿に艶があって、高い糖度と強い酸味をバランスよく持ち、果実が一口でいける体積であることが大切な要素になってくる。
そして何よりも重要なのは、皮を剥く必要がなく、洗っただけで簡単に食べられるということだろう。
スイカが大量に冷蔵庫にあるのはどうだろうか。
まるごと20玉くらい野菜室に入っているのを想像してほしい。完食のゴールが見えず、開けるたびに絶望が襲ってくるはずだ。
では私が大好きな二十世紀梨ではどうだろう。
皮を剥かずに食べられないことはないが、一度に食べるのは一個でいいし、大量にあれば傷んでしまうことを心配する。
熟しきってないキウイフルーツの甘味と酸味のバランスは私にとって完璧に近い。
だが、ちょっとばかり大きすぎるし、皮のめんどくささがフルーツ界でもトップクラスなのがいただけない。朴葉焼きの朴の葉、かしわ餅の柏の葉にも果敢に挑んだ私ではあるが、さすがにキウイフルーツを皮のまま食べようとは思わない。
ベビーキウイの、そのままパクッといけるところは認める。味もそんなに悪くない。だが如何せん地味だ。

では、ぶどうに並ぶ幸せ感を運んでくる果実は何か。
ぶどうと双璧を成すのはさくらんぼだろう。
宝石のような姿、味、大きさ、食すときの簡単さにおいて群を抜いている。
次点はイチゴか。
イチゴは蔕の扱いづらさがあるが、良しとしよう。
食べるのに何口もかかってしまう高級品よりも、味がぎゅっとつまった小さい苺の方がいい。
(余談ではあるが、昔、さくらんぼ狩りに行った時、農園のオーナーが畦道に生った小さな土塗れの野苺を摘んで「ほれ食べでみろ」とくれたことがある。この野苺の味の濃さは今も忘れられない。余談終わり)
ブルーベリーはどうか。
味の濃いものは及第点だが、粒がすこし小さい。市場に出回る「国産・生」が少ないのも減点だ。
あとは何があるだろうか、思いつかない。
何かあれば追記しようと思う。
フィンガーライムというのがあるそうだ。
この列に加わることができるかどうか、一度試してみたい。
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