ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
ドアの向こう
2011/03/08
Tue. 23:55
玄関のドアを開けると、ほんの少し開いていた隣のドアが素早く閉まった。
すぐに「ママー!」と、こどもが、困ったように母親を呼ぶ声が聴こえる。
驚かせてしまったことに、申し訳ないな、と思いながら、
鍵をゆっくりとかけて、隣のドアの前を足早に通る。
ドアの向こうで、息をひそめる人の気配がするのは、
あながち私の勝手な思い込みではないだろう。
こどもだけでなく、はやくもママが傍に来ていて、
魚眼レンズからこっそりと覗いているかもしれない。
実は、たまたま鉢合わせしたのではなく、
「隣が出てきたら教えてちょうだい」
というママの言いつけを守ってのものだったのかもしれない。

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