ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
もってのほか
2012/10/18
Thu. 04:00
実家では、この時季になると、毎日のように菊の花が食卓にのぼった。
「もってのほか」と呼ばれる薄紫色をした食用菊で、花弁の一枚一枚がペーパーナイフのようにすっとしていて高貴な印象なのだが、さっと茹でると、そのぴんとした姿が一瞬にして、くてっとなってしまう。かっちりとスーツで決めた仕事のデキるOLが、好きな男を前にするとぐにゃぐにゃになってしまうような感じ。わかんないけど。

こどもの頃は、新聞紙をテーブルに敷いて、そんな花びらを祖母と一緒によく萼から摘み取った。
摘み取り方にもこつがあって、指先で花弁の付け根をつまみ、ゆっくりと少しずつ力を加えながら摘む。その萼から花弁をひきはがすときの感触は極めて独特で、他に似たものがない。

こちらではあまり「もってのほか」を見かけない。
黄色の菊と、似たような紫色をした花びらの短い品種ばかりだ。写真はそんなふたつ。
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この記事に対するコメント
もってのほか、ウチの店にありますよー!たしか…同郷ですね?!(^O^)/
了解人間!参上 #YTvBI93U | URL | 2012/10/21 03:35 * edit *
Re: タイトルなし
同郷です♡
お店にあるの?本物?それ風のでなくて?
本物だったら今度参上しようと思います(笑)。
KOY #- | URL | 2012/10/22 03:07 * edit *
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