ASHINO KOICHI +plus
彩書家・蘆野公一の日々のつれづれ
週末の風、開かれた窓。
2013/08/21
Wed. 05:03
外はぎらぎらと輝いていて、日傘を風で飛ばされないように両手で握った年配の女性が数人連れ立って歩いていた。
風が強かった。
カーテンは大きく翻り、ブラインドはがちゃがちゃとうるさい音を立てる。
鉢を倒されてはたいへん、と水をやったばかりの室内の植物をそれらがぶつからない所に移動した(翻ったカーテンで何度倒されていることか)。とは言っても、入ってくる風は容赦なく葉や茎をびゅうびゅう靡かせる。
室内の植物はすべて、「セラミス」という顆粒の室内用栽培土で育てている(花瓶に水もあるけれど)。
土なら倒れても鉢を起こせばすむことだが、セラミスは倒れれば流れ出てくる。水やりの直後に倒れたりすれば何をか言わんやである。
ドアフォンが鳴る。宅配便だった。
応対するため玄関のドアを開けた。
室内に流れ込んで行き場を失いぐるぐる回っていた風が、勢いよく玄関のドアから抜けて行った。
その瞬間、リビングで、古いぽんこつ打楽器をいくつも同時に鳴らしたかのような音がした。
瞬時に覚った。
荷物を受け取って部屋に戻ると、経験のない規模の大惨事が僕を待っていた。
鉢はことごとく倒れ、水と混じったセラミスは植物の血と内臓のように床にひろがっていた。

それが日曜のこと。
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